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Players

現代最高の古典的ネイ(葦笛)奏者、クツィ ・ エルグネル率いるアンサンブルのメンバ ーには、荘厳な絶唱が胸を揺さぷる大物歌手のベキル•ビュユックバッシ、シルクロ ードに伝わる弦楽器の祖先、タンプールの若手名手ムラット ・ アイデミィルが、トルコ ・ イスタンブールより参加。また、クツィ ・ エルグネルとはピーター •ブルック演出『マハーバ ーラタ』他、数々の演奏をともにしてきた異能の音楽家、土取利行が中近東のパーカッションで響演します。

郡上八幡音楽祭2016でアンサンブルを率いて来日するメヴラナ派ネイ奏者の巨匠クツィ・エルグネルのネイ独奏 

KUDSI ERGUNER

クツィ・エルグネル

ネイ(葦笛)

1952年トルコ生まれ、パリ在住。この時代にあって至高のネイ奏者といわれる。国際的に称賛されたライブ演奏やレコードを通じてオスマン古典音楽とスーフィー音楽を世界に紹介し、その名を高く知られるようになった。演奏家としてだけでなく、作曲家、音楽学者、教師、スーフィー文化のプロデュースからオーガナイザーとして活動している。

 クツィ・エルグネル氏はトルコ音楽を継承する一族に生まれ、年長世代の高名な音楽家との数々の交流から大きな影響を受けた。その多様なスーフィーとの関わりは、エルグネルを音楽と教育への深い学びに向かわせ一生を方向づけた。また、最後のネイの巨匠といわれた偉大な演奏家にして父親のウルヴィ・エルグネルから直接指導を受けた他、1973年よりパリで建築、音楽学を学んだ。次第に各国の主要な音楽祭に参加、その傍らでインド、パキスタン、トルコの音楽を研究し、多様な音楽要素のアンサンブル演奏、数々のアルバム制作を手掛け、次のような世界の高名なアーティストとの共演を果たしてきた。

 

ボブ・ウイルソン、ピーター・ガブリエル、モーリス・ベジャール、キャロリン・カールソン、ピーター・ブルック、ディディア―・ロックウッド、ミケル・ポータル、トニー・ガトリフ、マルク・ミンクロフスキー、アレクサンドル・デスプラット、バルタバス、サルキス、マーカス・ストックオ―セン、ヌスラット・ファティ・アリ・カーン、土取利行、ジョルディ・サバル、ファジル・サイらである。

こうした創造的交流により、80年代ブームとなったワールドミュージックの確立に貢献してきただけでなく、彼は、忘れ去られようとしている伝統音楽の記録と蘇生に取り組んだ。西欧の人々にトルコの伝統音楽の認識をもたらし西欧文化の中にそれを位置づけることによって、オスマン(トルコ)古典音楽とスーフィー音楽を再生させたのである。

1981年には、パリにメヴラーナー協会を設立し、原初的伝統に沿ったスーフィーズムと音楽を教える場とした。またメヴレヴィー教団の伝統の流れを汲む2つの小さなコミュニティ(1つはパリに他方はイスタンブールにある)のリーダー的存在で、世界中でスーフィズムをテーマとした会議や演奏会を開催するなどの活動を続けている。

 

クツィ・エルグネル氏は、これまでに100枚以上のCDをリリース。その作品の殆どは、オスマン古典音楽の様々な特徴が取り入れられており、彼のオスマン文化への献身的精神が現れている。フランス語での書籍出版は、『Les Contes de Mesnevi』『Les saints des Derviches Bektachi』、『La Fontaine de la Séparation』『La flûte des Origines』などがあり、各国語に翻訳されているものもある。

 

BEKIR BUYUKBAS

ベキル・ビュユックバッシ

ヴォーカル(歌唱)

 

1956年トルコのコンヤ生れ。イマーム・ハティープ高校を卒業後、宗教局のムアッズィン(礼拝の呼びかけをする者)としての任についた。ネイゼン・サドレッティン・オズチミ氏とハーフィズ・フェヴズィ・オズチミ氏に師事することで初めて音楽を学び、1984年から3年間、イスタンブールのラーレリモスクで、その後1987年から23年間ファティフモスクに配属されムアッズィンを勤めた他、宗教省の省内教育局で教鞭をとった。

 

ビュユックバシュ氏は、キャーニ・カラジャ氏、ケマル・テゼルギル、ベキル・スィトク・セズギンのような数々の巨匠に啓発されるなかで、様々な海外のフェスティバルやコンサートに招かれ、クルアーン吟唱者のスペシャリストとして参加してきた。2010年にファティフモスクの任を引退し、Alaturka Records制作の音楽アルバムに多数参画、トルコ国内外の数々のコンサートに出演。現在に至るまで音楽家としてだけでなく指導者としても活動を継続している。

郡上八幡音楽祭2016で初来日!イスタンブール、ファティフモスクのムアッズィン(詠唱者)を23年間努めてきたベキル・ブユックバッシの華麗なる詠唱 

郡上八幡音楽祭2016/クツィ・エルグネル・アンサンブルで初来日するトルコ古典楽器タンブールの若手名手ムラット・アイデミィルのタンブールソロ

MURAT AYDEMIR

ムラット・アイデミィル

タンブール(撥弦楽器)

 

1971年ドイツのハノーファーで生まれる。1982年からイスタンブール工科大学のトルコ国立音楽院で、ネジプ・ギュルセスにタンブールを学んだ後、1992年に器楽教育科を卒業した。1989年には、タンブール奏者のネジデト・ヤシャルが総合芸術ディレクターを務めるイスタンブール文化省のトルコ古典音楽アンサンブルにゲストミュージシャンとして参画した。

『Ahenk Volume 1 』(1997) 『 Ahenk Volume 2 』(2008)をレコーディング、ケマンチェ奏者のデルヤ・テュルカンとの演奏では即興演奏を含めた構成で、Golden Horn Records(アメリカ)からリリース。

その後、Kalan Müzik がトルコでこれらのアルバムをリリースした。彼ら二人の演奏会はトルコ国内ツアーだけでなく、2003年はドイツで8か所、2005年にはアメリカのカリフォルニア州7カ所で開催。

2002年、アイデミィルはトルコで二重奏「Neva」をレコーディング、Kaf Müzik の後にGolden Horn Records から世界に向けリリースした。このレコーディングは、ネイ(葦笛)奏者のサリフ・ビルギンの誘いによるもので、二人は、ワシントンD.C.のスミソニアン博物館で開催されたオスマン衣裳展のプログラムとして、演奏を披露した。彼らの最新アルバム「Neva2」は2009年にKaf Müzikから発売されている。

 

1997年以降、古典弦楽器奏者のジェンギス・オヌラル、ケマンチェ(擦弦楽器)奏者のデルヤ・テュルカンとともに創設した「Incesaz」というグループでは、作曲と演奏によって活躍、その楽曲は、数々のテレビ番組のシリーズやドキュメンタリーに採用された。また、タンブールとは別の弦楽器、ラヴタ(lavta)の演奏も行っている。

2008年、ソロアルバム『Murat Aydemir Solo』がKalan Müzikから発売。またセカンドアルバム『Murat Aydemir Trio』も2011年同社から発売。このアルバムの中で、コントラバス奏者のヴォルカン・フルセヴェル、ダフ(枠太鼓)奏者のレザ・セマニ・トンバクと共演。

 

2010年には、アイデミィル氏によるトルコ音楽のマカームについての本『Makam Guide』という本が、イスタンブールで出版された。2012年にはギリシャ語でFagotto Booksより出版、2013年に『Makam Rehberi』がPan出版社より国内発売された。2013年発売のトリオアルバム、『Itrî & Bach』は、チェロ奏者のチャー・エルチャー、ドゥドゥク(気鳴楽器)奏者のエルタン・テキンとの共演である。

TOSHI TSUCHITORI

土取利行

ベンディル(枠鼓)他

1950年香川県多度津生まれ。70年より前衛ジャズドラマーとして近藤等則、高木元輝、阿部薫、坂本龍一らと活動を共にする。75年に音楽評論家・間章プロデュースによる日本のフリージャズ・ユニット「EEU」結成直後渡米。ドラム奏法の革新者、ミルフォード・グレイブスと知己を得る他、パリに渡りスティーブ・レイシー、デレク・ベイリーら即興演奏のパイオニアと共演。同時に20世紀の演劇を代表するピーター・ブルック国際劇団に参加、40年にわたって主要作品音楽を担当し、現在も『バトルフィールド』(2015〜2017)の世界ツアー中である。

 

アフリカ、中近東、インド、東南アジアなどの民族音楽の渉猟・習得を継続しながら、83年より「銅鐸」「サヌカイト」「縄文鼓」などの古代楽器の復元と調査、遺跡での演奏を繰り広げる古代音楽プロジェクトを展開。87年より三絃演奏家の桃山晴衣と共同で、郡上八幡に自主レーベル「立光学舍」と同名の芸能堂を設立。89年より「立光学舎フェスティバル」を10年間開催した他、岐阜県での舞台芸術プロデュースに力を注ぐ。00年代より、南仏の「壁画洞窟」の音楽調査・演奏が、NHKスペシャル「暗闇に残されたメッセージ〜人類最古・洞窟壁画の謎〜」にて放映された。

近年は添田唖蝉坊をはじめとする「明治大正演歌」の蘇生など、日本人および人類の音楽的ルーツを掘り起こすパーカッショニストとして、前人未到の活動を続けている。大野一雄、キム・メジャなど舞踊家との共演も多い。

 

 最近作に、新譜+新装復刻版として「CD古代四部作」(日本伝統文化振興財団、2007)、邦楽番外地シリーズによる「CD明治大正演歌三部作」(立光学舍)を2013年より随時発表。著作に『螺旋の腕』(筑摩書房)、『縄文の音』(青土社)、『壁画洞窟の音』(同刊)、翻訳に『音の神秘』(平河出版社)がある。

 

公式ウェブサイト

http://homepage2.nifty.com/w-perc/

立光学舎 公式YouTubeチャンネル

https://www.youtube.com/user/ototatchinuru18/featured

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